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裏話 | CHART project

楽しくリズムに乗る動物たち
CM作品に隠れたグラフとは?

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chart projectは、テレビ金沢、Nippon Agency とともに、SDGsに関連するグラフデータを活用しSDGsが達成された未来をアート作品として生まれ変わらせるプロジェクト「chart project for SDGs in ISHIKAWA」を行なっています。この取り組みにあわせ、2020年3月よりテレビ金沢では、chart projectを紹介する3本のCMを放映中。楽しい歌とリズムにあわせ、氷の山を滑り降りる「ペンギン篇」、笹の葉を食べる「パンダ篇」、アクロバティックに踊る「トナカイ篇」の3つの動画をご覧いただけます。さて、この3つのchart作品には、どんなグラフが隠れているのでしょうか。

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今回chart projectがCM用に制作したchart作品は、東京都地球温暖化防止活動推進センター(クールネット東京)さんと、環境保全団体であるWWFジャパンさんから提供頂いた、温室効果ガスに関するグラフが元になっています。

chart projectのCMはこちら。

 

 

わたしたちの省エネが南極のペンギンを救う?

 

まず一つ目のchart作品は、海氷を楽しく滑り降り泳ぐペンギンを描いたもの。これは「2030年までに東京の温室効果ガス排出量を30%削減する(2000年比)」という気候変動に関するグラフを元に描かれています。

 

2100年までの気温上昇を、産業革命前に比べ2℃未満に抑えるためには、2050年に世界全体40~70%(2010年比)の温室効果ガス排出量削減が必要です。その通過点の中期目標として設定されたのが、この2030年までに30%の削減目標というわけです。

 

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東京の温室効果ガス削減イメージ (出典:東京都 「東京都環境基本計画」(2016年3月))

 

イラストは南極のコウテイペンギンを描いています。地球温暖化が及ぼす影響として海氷の減少はよく挙げられますが、海氷はコウテイペンギンにとって、繁殖や子育ての場所になるだけではなく、餌となるオキアミや魚を守る存在でもあります。遠い国の話のようですが、世界都市である東京が率先して気候変動対策に取り組むことは、南極のペンギンたちの暮らしを守ることにもつながるのかもしれません。

 

 

同じ国でも地域によって違うCO2の排出量

 

二つ目の作品は、豊かな竹林で楽しく食事する未来の親子パンダを描いたもの。これは、「世界の主要な国の国民一人当たりの二酸化炭素(CO2)排出量」を表すグラフが元になっています。

 

日本を含む先進国が上位に名を連ねていることは、三つ目の作品で触れます。ここでは、ひと括りに国と言っても、都心部と地方で1人あたりのCO2の排出量は大きく異なるという点に注目します。特に中国は、国全体の一人当たりのCO2排出量は世界で7番目ですが、都心部の一人当たりの排出量では世界最高レベルだとも言われています。

 

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代表国における国民一人当たりの二酸化炭素排出量 (出展:EDMC/エネルギー・経済統計要覧2018)

 

この作品は、棒グラフの形をまっすぐ伸びる竹に見たてて、中国の竹林で暮らすパンダを描きました。現時点でも野生で1800頭ほどしか生存していないパンダですが、温暖化による気候の変化で、発育できない竹が増え、彼らの食料であり住処である竹林の減少が懸念されています。

 

地球規模で考える環境配慮はもちろんですが、例えば中国なら、都心部の人々がパンダの暮らす山間部の人や自然を思ってCO2排出量の削減に努めることなど、まずは自国の課題に着目することが、世界全体を良い方向に導く第一歩なのではないかと思います。

 

 

CO2排出のほとんどは...

 

最後は、大地を照らす太陽の下で、ツンドラで食事をしながら安らぎの時間を過ごすトナカイたち。これは、「世界の二酸化炭素排出量」を表すグラフをベースに描かれています。

 

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世界の二酸化炭素排出量 (出展:JCCCA(元データはEDMC/エネルギー・経済統計要覧

2019年版))

 

パンダの作品は「国民一人当たり」のCO2排出量でしたが、これは国ごとです。いずれも日本を含む先進国が上位を占めています。2016年の1年間に、世界約190カ国から排出されたCO2の総量はおよそ323億トン(二酸化炭素換算)で、そのうち70%近くは日本を含めたほんの十数カ国からの排出です。また一人当たりのCO2排出量では、先進国が途上国の3倍以上。温暖化の被害をすでに受けている人々の多くは、温暖化にほとんど責任のない貧しい途上国の人たちと言われていす。

 

 

「どの国が」という視点より

 

イラストのトナカイは、短い夏の間に植物の豊かなツンドラを目指し、ここで十分に栄養をつけて秋の終わりに仔を産みます。しかし、温暖化による北極圏の気候の変化により夏の移動のタイミングがずれ、十分な食物が得られなければ、繁殖にも影響が出るそうです。先進国によるCO2の排出が、CO2排出とは関係が薄い美しい自然環境の動物達を減らしてしまう。グラフでは中国やアメリカでCO2排出量の半分近くを占めていますが、「どの国が」という視点よりも、地球全体で考えていくべき課題なのかもしれません。

 

Creative Direction, Design : 藤田雅臣(tegusu Inc.)
Planning, Illustration : tegusu Inc.
Film Direction, Animation : 近藤樹
Music : 玉置裕介(PUTBALSOUND)

chart project®︎ CM動画

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